NISTEP注目科学技術 - 2022_E120

概要
道路交通網などの社会基盤の維持費削減とサービス向上に向けて、5Gなどの高性能モバイルネットワークの整備に伴い、一般市民の持つスマートフォンや自動車のセンサーなどの活用が進む。スマートフォンや自動車などの市民生活に密着するデバイスからの情報収集と情報処理技術に関して、セキュリティやプライバシーの保全技術が向上し、偽情報、曖昧な情報、部分的な情報といった不完全な情報を考慮した解析技術が高度化するに従い、実用化段階へと進展する。
キーワード
クラウドソーシング / クラウドセンシング / スマートシティ
ID 2022_E120
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 情報通信
専門度
実現時期 5年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 60 (情報科学、情報工学)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
マートフォンが広く市民に浸透していることから、すでに、ニュース報道における視聴者撮影動画像の利用、位置情報を利用した街区の混雑度算出などで実用段階に進みつつあるである。研究では、交通システムにおける交通状況モニタリングや道路面の異常検知、都市計画における道路の騒音や振動、駐車場などの利用状況などのモニタリング、災害対策における地震や台風時の大雨、洪水、暴風などのモニタリング、医療における健康状態モニタリングや感染症の感染経路解析などから、実現可能性の検証が実施されつつある。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
IEEEやACMなどの学会ではデータの(1)収集、(2)通信、(3)解析の各面から継続的に以下の課題に関する発表が行われている。(1:データ収集)利用者のセキュリティやプライバシーを維持しながら、一定量・品質のデータを確保するために、市民に適切なインセンティブを与えたり、確率的な振る舞いをモデル化し統計的に要件を満たせるようにする。(2:データ通信)災害時などネットワークが一時的に利用できなくなる場合にもデータを確保する。(3:データ解析)一般市民の収集情報は、データ品質が保たれているわけではないため、そのような不完全なデータから有意な情報を取り出す。