NISTEP注目科学技術 - 2022_E106
概要
ヒト嗅覚受容体を発現させた細胞をアレイ化し,ヒトが感じる匂い物質をデジタルデータ化するシステムに注目している.ヒトの嗅覚受容体群は,全部で388種類であり,これらの受容体を発現させた細胞アレイを作製し,単純臭および複合臭に対する応答からデジタルデータ化を行い,匂い情報の記録,保存,複製,伝搬および再生を達成する研究である.
キーワード
生命科学基盤技術 / 細胞アレイ / 受容体
ID | 2022_E106 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 61 (人間情報学) |
分析データ クラスタ | 6 (分子生物学/診断・治療) |
研究段階
388種類の嗅覚受容体群を発現させた細胞アレイの構築,匂いに対する応答のデータが蓄積されている.現在,黒田俊一先生(大阪大学 産業科学研究所 教授)がベンチャー企業(株式会社香味発酵)により,人工香料の合成,消臭剤の開発等が行われている.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
現在,嗅覚受容体発現細胞の匂いに対する応答をもとに匂いマトリックスを作成する際に,細胞内カルシウムイオン濃度の変化に伴う蛍光を可視化している.細胞アレイの領域を一括で画像取得しなければならないので,匂い物質に対する応答を細胞膜電位に基づく電気化学的に変換すること.