NISTEP注目科学技術 - 2022_E81
概要
コロナ禍の中,様々な業務においてデジタル化が進められ,オンラインでのコミュニケーションが通常となりつつある.オンラインに最適化された業務形態に移行しつつも,実際には対面を求めている傾向にある.これは,現在の科学技術は,人間が対面で接している情報共有に到達しておらず,科学技術にかけるコストよりも対面の方がはるかに安価で高品質であると考えられる.本来,人間同士は,同じ空間で視線や表情といった言葉以外の情報で信頼関係を構築していることから,その科学技術が対面とほぼ等価となって初めてオンラインでも満足できると考えられる.したがって,人間が知覚しうる存在感や視線といった高品質な情報通信技術の確立が必要であると考えられる.中でも,視線については,情報共有や意思統一を行う上で,重要な役割を果たすことから,従来法である「視線入力」に限らず,どこに注目をしているのかを表す「視線共有」がオンラインでのコミュニケーションにおいて必要な技術となりうると予想される.この「視線共有」によって,参加者の注意や興味といった雰囲気についても共有できると考えられる.
キーワード
テレプレゼンスロボット / 視線インタフェース / 雰囲気
ID | 2022_E81 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 情報通信 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 61 (人間情報学) |
分析データ クラスタ | 59 (教材開発・学習支援システム) |
研究段階
視線計測を行うための基礎的要素技術については確立されているものの,存在感を表現するロボットや,視線共有を行うための仕組みについては,様々なアプローチが検討され始めた段階で,どのように設計すればよいのかを模索している段階である.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
視線計測によって得られた情報をどのようにロボットへ反映させるのか等,人の意図や欲求を推定したモデリングが必要である.