NISTEP注目科学技術 - 2022_E73

概要
人間活動にともない、地球上の生活可能域、生活に必要な各種資源が枯渇してきている。その危機は現在でも表面化しており、人類存続にかかわるレベルの危機も数十年~百数十年後に近づいている。これらの問題に対応する形で、宇宙資源学及びその技術は、地球で枯渇する必須資源を宇宙から得たり、人類の生活圏を宇宙に拡張させることを目指す科学技術である。ビジネス的にも数兆円の規模と推察されている。日本が展開可能な例1:月に60億トン近く眠っているとされる「水資源」の利用。宇宙船や人工衛星のエネルギーを月から供給することが可能となりさらに、月面で人が暮らすための飲料水や燃料電池としての活用にも期待できる。また、月では建材として利用できる灰長石、鉄などの鉱物も利用出来る可能性が評価されている。例2:鉄やプラチナを含む小惑星の利用。例3:探査衛星を利用した探査技術。採掘技術は不可欠であり、日本は世界でもトップクラスの技術を有している。
キーワード
宇宙資源 / 資源枯渇 / 人類存続
ID 2022_E73
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 環境
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 4 (地理学、文化人類学、民俗学)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
 人間活動及び地球環境の維持に必要な資源が探査活動により、宇宙の惑星などに存在することが明らかになっている。彗星等の探査で日本も貢献している分野である。また、各種望遠鏡を利用した資源探査技術が確立されている。しかしながら、資源利用を可能とする、採掘技術、地球へ持ち帰る技術の開発はスタート段階である。日本は、Robot技術は世界トップレベルであるので、宇宙資源開発に舵を切ることで、こららの基本、応用技術を活用し、一気に実用段階に展開可能と推察される。さらに、宇宙の水利用また燃料電池への展開は、採取技術が完成すれば、自動車分野の日本が世界トップクラスの既往技術の適用が可能となる。
 
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
宇宙資源の利用に関しての法体系の構築も、各種国際関連法か成立しているが、主要国が署名していないなど、普遍的なルールに基づく法制度化には今後世界各国との調整が必要となり、我が国でも専門家の育成が重要である。日本は、衛星の打ち上げ、小Sampleの回収技術はトップクラスであるが、惑星上で活動するローバー技術に関しては実用化に至っていない。今後、発展させるべき要素技術であり、日本のRobot技術を体系化すれば対応可能と考えられる。このほか、日本は地熱や海底探査技術、資源の有効利用加工技術などに関して先進的な技術を要しており、そられらの宇宙資源探査へ目をむけ、それらの体系化を行うことで、すみやかな実現化が可能である。