NISTEP注目科学技術 - 2022_E54
概要
トポロジカル物性を利用した熱電変換材料の開発。熱電変換材料として古くから知られているBi2Te3がトポロジカル絶縁体であることが明らかになって以来、それ以外のトポロジカル絶縁体やトポロジカル半金属の探索が進められている。特に後者のトポロジカル半金属では、ディラック電子のもつ巨大移動度により巨大電気伝導度を得ることができ、熱電変換効率の飛躍的な向上が見込める。熱電材料は、排熱から電気エネルギーを得ることができるクリーンな熱電発電を可能とすることから、ゼロエミッション社会の実現に大きく貢献するものと期待される。
キーワード
熱電変換 / トポロジカル物質 / ディラック電子
ID | 2022_E54 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 29 (応用物理物性) |
分析データ クラスタ | 48 (スピントロニクス) |
研究段階
トポロジカル絶縁体はBi2Te3以外にもいくつか見つかっているが、トポロジカル半金属はまだまだ数が少ない。まずは、理論計算でトポロジカル絶縁体とトポロジカル半金属の候補をスクリーニングすることが必要である。候補が見つかったら、それが実際にトポロジカル物質であることを実験的に示すこと(光電子分光などを用いる)、そして熱電特性(ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度)などを実際に測定して、トポロジカル半金属の可能性を実証していくことが必要である。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
・トポロジカル物質のスクリーニングに向けた理論計算のコスト改善
・トポロジカル物質の合成法および物性測定法の開発
・当該研究に対する資金的な援助
・当該研究を社会実装するための政治的支援
・トポロジカル物質の合成法および物性測定法の開発
・当該研究に対する資金的な援助
・当該研究を社会実装するための政治的支援