NISTEP注目科学技術 - 2022_E52
概要
増殖する人工分子システムに注目しています。現在、この世界で増殖するものは生物のみです。しかし、現在無細胞合成生物学が急速に発展してきており、タンパク質や核酸といった無生物材料のみから増殖する分子システムをつくることが可能になってきています。もしそのようなものが達成できれば、生物に代わる食料やバイオ医薬品などの生産に使うことができます。人工生命システムを使うことにより、生物を使ったものづくりよりも制御しやすく安定な有機物生産が可能となると期待されます。
キーワード
合成生物学 / 人工細胞 / 人工生命
ID | 2022_E52 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 10年以降 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学) |
分析データ クラスタ | 6 (分子生物学/診断・治療) |
研究段階
現状では世界中の複数の研究室で開発が進められている段階です。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
生物の増殖する仕組みの根本にあるのがセントラルドグマです。増殖する分子システムをつくるためにはまずこのセントラルドグマを無生物で実現する必要があります。現在のボトルネックは翻訳反応の非効率性と、リボソームの再構成ができていないことにあります。ただ、これは人員と研究費をかければ解決する問題ではあります。
必要な社会的要素としては、人工分子システムで作った有機物を消費者が受け入れるかという問題があります。人工甘味料のように忌避反応を起こす人はいるかもしれません。
必要な社会的要素としては、人工分子システムで作った有機物を消費者が受け入れるかという問題があります。人工甘味料のように忌避反応を起こす人はいるかもしれません。