NISTEP注目科学技術 - 2022_E51

概要
ゲノム編集あるいはゲノム育種により昆虫を高速に家畜化あるいは改良し、タンパク質資源として用いる技術。たとえば、カイコ、コオロギ、ミルワーム、イエバエ、ミズアブなどが考えられる。昆虫は優れたタンパク質資源でありかつ大量飼育による環境負荷も小さいことから、人口増加による食料危機問題を解決する有望な未利用資源である。しかし、これら昆虫には独特の風味等があり、広く普及させるためには改善が求められる。また、生産コストを削減するために大量飼育が必要となるが、昆虫種によっては個体密度増加によるストレスや共食い等の性質がこれを拒む要因となりうる。そこで、ゲノム編集あるいはゲノム育種により、昆虫を高速に家畜化・品種改良する技術が望まれている。
キーワード
昆虫資源 / ゲノム編集による育種短縮化 / ゲノム改変技術 / 昆虫の行動制御 / ゲノム育種
ID 2022_E51
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 39 (生産環境農学)
分析データ クラスタ 51 (生物生態・多様性)
研究段階
各昆虫におけるゲノム編集技術に関しては、SDN-1については実用段階にあるかそれに近いと考えられ、SDN-2やSDN-3については実現できていないあるいは効率や汎用性が低い等の課題を残す。植物におけるゲノム育種についてはいくつもの報告がある一方、昆虫においては取り組みが始められつつある段階である。また、改変すべき形質にかかわる遺伝子やQTLはまだ同定されていないものがほとんどである。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
昆虫食あるいは昆虫そのものに対する嫌悪感が、その重要性やメリットの認知により抑制される必要がある。加えて、ゲノム編集技術についての正しい理解が社会に浸透し、容認される必要がある。