NISTEP注目科学技術 - 2022_E48

概要
海底鉱物資源,特にレアアース・コバルト・ニッケル資源の開発技術.具体的には南鳥島沖のレアアース泥やマンガンノジュールを対象とする.カーボンニュートラルに向けた動きが国際的に加速する中,最も重要となるのは磁石と電池の原料となる資源の長期安定的確保である.磁石はEVのモーターや風力発電の発電機等に用いられるレアアース(ネオジム)磁石が産業上は不可欠であり,ネオジム・ジスプロシウムの確保が必須である.電池はリチウムイオン電池やニッケル水素電池に用いられるコバルト(LIBの正極材)やニッケルが必須のマテリアルとなる.これらはいずれも,少数の資源国(中国,インドネシア,フィリピン,中国が鉱山権益の大半を確保しているアフリカ諸国等)により世界生産の大部分が賄われるリスクの高いレアメタルである.新規供給源として海底鉱物資源が有望視されており,実際に南鳥島周辺等では経済性が期待できる品位の資源(レアアース泥・マンガンノジュール)が確認されている.その開発技術の早期確立が急務である.
キーワード
海底鉱物資源活用 / レアメタル / 深海対応の採鉱機器 / 6m級リフトシステム / 深海での遠隔操作技術 / 深海環境モニタリング / 多種類金属酸化物の効率的製錬技術 / 海底資源探査技術
ID 2022_E48
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 31 (原子力工学、地球資源工学、エネルギー学)
分析データ クラスタ 31 (環境化学)
研究段階
SIPおよびJOGMECによる要素技術の開発が進行中.ただし商業化に適したシステム設計は未達成.想定対象海域における技術実証試験も未定.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
大水深海底で採鉱を行うための機器と制御システム,海面まで連続的に揚鉱するシステム,および効率的な選鉱・製錬技術.開発時の環境影響モニタリング手法の体系化と技術開発を含む.