NISTEP注目科学技術 - 2023_E85

概要
アンモニアを燃料とした発電やエンジンの開発が重要であると考えている.

アンモニアを燃料とした発電は,JERAも実施していくということで,燃焼後に生じる窒素酸化物の除去や更なる高効率化が重要となると考えられる.

また,個々の輸送機に対しては,アンモニアを燃料としたエンジンの開発も必要になってくると考えられる.電気自動車は,今後普及すると考えられるが,バッテリーやモーターなどに必要なレアメタルの採取に限りがあることから,安価な金属で製造可能な車両も必要だと考えられる.

ただし,アンモニアの燃焼速度が遅いことから,バイオエタノール,合成メタン,e-fuelなどとの混焼が必要となると考えられる.そのため,同時に二酸化炭素の回収や燃料合成の技術も開発していくことが必要であると考えられる.
キーワード
カーボンニュートラル / 二酸化炭素技術(回収) / 二酸化炭素技術(燃料合成) / 再生可能エネルギー / エネルギー変換
ID 2023_E85
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 エネルギー
専門度
実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 24 (航空宇宙工学、船舶海洋工学)
分析データ クラスタ 31 (環境化学)
研究段階
アンモニアを燃料とした発電:企業との共同研究が進んでいる段階
アンモニアを燃料としたエンジン:研究室で開発している段階
燃料合成:企業との共同研究が進んでいる段階
インパクト
化石燃料を使用した動力源となるため,SDGsへの貢献(環境・エネルギー・資源・生態系への貢献,社会的課題の解決)につながる研究であり,その影響力は大きいものと考えられる.
必要な要素
アンモニアの燃焼技術に対しては,燃焼速度が遅いこと,排気中の窒素酸化物が多量であること,ガスのため出力が弱いこと,などが問題として挙げられ,技術革新が必要である.

また,社会的な面に対しては,再生可能エネルギーや水素と比較して,認知度が低いことが挙げられる.