NISTEP注目科学技術 - 2023_W128
概要
玄武岩へのCO2の注入と固定(CCS)。原理的には塩基性岩の風化促進と同じであるが、塩基性岩の岩体にCO2を注入して固化するネガティブエミッション技術。風化促進よりも高効率であることが期待される。
キーワード
カーボンニュートラル / 二酸化炭素技術 / ネガティブエミッション技術
ID | 2023_W128 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 兆し |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | 宇宙・海洋・科学基盤 |
専門度 | 高 |
実現時期 | - |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 17 (地球惑星科学) |
分析データ クラスタ | 31 (環境化学) |
研究段階
原理・現象は科学的に明らかとなっており、海外においては実際にパイロット試験が実施されている。我が国においては、適地や高効率なメカニズムに関し、研究室で検討・開発している段階といえる。
インパクト
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、様々な社会経済分野で大幅なCO2排出削減が求められているが、完全に排出をゼロにすることは難しく、排出せざるを得ないCO2を削減するためにはネガティブエミッション技術による相殺が必須。科学・産業分野にとどまらず、国際社会(国家間関係)にもその実現は影響を及ぼすものと想定される。
必要な要素
原理的には塩基性岩の風化促進と同じであるが、実現可能であるのか否か、可能である場合のコストや候補地には未知数な部分が多く、CO2注入・固定の物理条件といった要素技術の進展と、そのような事業を行うための場所(地質の種類や岩盤構造)等とを平行して検討していく学際的取り組みが必要。