NISTEP注目科学技術 - 2023_W114
概要
経営学の労働経済の分野での「仕事における技能(数値化できる技術に対して、数値化が難しいといわれているもの)」を測る尺度の開発(これまで「技能」を考える際の多くは、勤続年数や報酬などを代理指標として考えてきた)が望まれる。しかし実際に技能を測定しようとしたとき、時期や環境、経験、分野等、様々な要因が関係してくるため指標化することが難しい。個人であってもそのような状況であるし、部署(工場)や会社単位となると、さらにいろいろな要素が加わり(生産性の問題にも絡み、管理会計の分野も必要)分析が難しくなる。オールマイティなものはないだろうが、ベースとなるものができることを望む。この尺度の精度を上げることで、人事評価等をより公平におこなうことに繋がる。
キーワード
技能 / 熟練 / 生産性
ID | 2023_W114 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 兆し |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 人文・社会科学 |
専門度 | 高 |
実現時期 | - |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 7 (経済学、経営学) |
分析データ クラスタ | 29 (社会心理学・行動経済学) |
研究段階
機械化による生産性の向上はある程度の証明ができるが、人の中に蓄積された「技能」が生産性にかかわるかどうかの証明についてはまだ成功していない(代理指標や特定の条件を設定した上での実証にとどまる)。
インパクト
企業の生産性、競争力に大きな影響を及ぼす。また、人事評価についても公平な視点で判断できるため、企業戦略への活用、賃金の公平は分配につながる。
必要な要素
企業に対して、それら研究にかかわる助成金をだし、調査をすすめることが必要である。またJILPT等の専門的期間を使って、マクロ(アンケート等)調査だけではなく、ミクロ(聞き取り等)の調査を同時に進め、双方の視点で問題の所在を探る必要があると考える。また、産業全体と大ぐくりにするのではなく、産業別、企業別など、条件を揃えた上で、その特徴をさぐるべきである。また、分野を超えたコラボレーションが必要なため(この場合であれば、労働経済と会計分野)、研究者の分野を横断的に考えたプロジェクトが必要であると考える。