NISTEP注目科学技術 - 2023_W43
概要
ネイチャーポジティブ。自然環境に対する人間による働きかけが、生態系の維持、健全性に対してプラスの影響をもたらすことを実現するための技術。例えば開発に伴う土地改変を行った結果、地域における在来生物の種数、個体数が増加する等。
キーワード
グリーンインフラストラクチャー / Nature-based Solution / Ecosystem-based Adaptation / Ecosystem-based Management
ID | 2023_W43 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 兆し |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 高 |
実現時期 | - |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 64 (環境保全対策) |
分析データ クラスタ | 63 (地域社会学・都市工学) |
研究段階
これまでの生態学、生物多様性科学における研究蓄積をもとに、研究室における研究課題および企業における技術開発が始まりつつある段階
インパクト
生物多様性条約による新枠組、生物多様性国家戦略2023-2030の決定、さらにはTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の公表に伴い、企業が生物多様性に及ぼす影響は社会的、金融的リスクになりつつある。ただし、現在の基本的な考え方は、生物多様性へのマイナスの影響をどう低減させるかという部分に主眼が置かれており、これをプラスに転じ、ビジネス展開に広げるといった新たな機会につなげる具体策に欠けている。もしプラスの影響をもたらす要素技術が確立されれば、人間活動(主には経済活動)は生物多様性に負の影響を及ぼすという基本的な考え方が根本的に変わることにつながることが期待できる。
必要な要素
技術革新ではなく、既存の道具等で、低コストで実施できるものであることが望ましい。たとえば生物多様性への影響をマイナスからプラスにするために多大なるコストがかかってしまう場合、コストパフォーマンスを検討した結果、マイナスを選ぶという選択肢が生まれてしまう。