NISTEP注目科学技術 - 2023_W17
概要
二酸化炭素と水素から作られる合成燃料が,石油等の化石燃料と同等のコストで同等の性能を実現することができれば,環境問題を一挙に解決できる可能性がある.現在のエンジンは化石燃料を用いざるを得ず,それゆえに環境負荷が高く将来にわたって持続的に利用する事ができないとされている.しかし水素エンジンは環境負荷は0であり,エンジン技術自体は環境に直接負荷を加えるものではない.もし太陽光発電などで得たエネルギーを利用して合成燃料を効率よく生成できれば,これは太陽エネルギーを合成燃料という形で充電(蓄積)したとも言え,しばしば議論される二次電池生成における環境負荷の問題も解決できる可能性がある.合成燃料の普及は環境問題の解決手法としてほぼ電気だけに頼り切っている現状に変化をもたらし,エネルギーの多様性を確保という面でも非常に有用である.
キーワード
合成燃料 / 脱炭素 / エンジン
ID | 2023_W17 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 兆し |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | 宇宙・海洋・科学基盤 |
専門度 | 低 |
実現時期 | - |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 64 (環境保全対策) |
分析データ クラスタ | 31 (環境化学) |
研究段階
生産効率を向上させ,コストを下げる事を目指した普及に向けた研究段階.現状は技術的には可能だが,普及には程遠い(=化石燃料にはコスト面で太刀打ちできない)状況のようです.
インパクト
脱炭素の定義が根本的に覆る可能性あり.原油が不要になる可能性あり.
必要な要素
製造コストを下げる事が必須.