NISTEP注目科学技術 - 2023_W3
概要
neo-PTMs (https://neo-ptms.com/research-outline/)
タンパク質は細胞・生体機能の中心を担う分子です。ヒトゲノムにはわずか2万〜2万5千のタンパク質の一次配列しかコードされていませんが、その転写産物であるRNAが様々な化学修飾を受け、さらにその翻訳産物であるタンパク質が様々な翻訳後修飾(PTMs)を受けることで、100万以上のプロテオームを形成します。つまり、DNA/RNA/タンパク質などの生体分子の化学修飾とそれが造る化学ネットワークによって、生体は多様な機能を獲得します。生体での翻訳後修飾の阻害剤は、分子標的治療薬としても注目を集めました。
しかし、化学が構築できる分子の構造と機能は無限大であり、生体分子が受ける化学修飾が内在的に見られる修飾に限定されなければならない理由は存在しません。生体が元来持っていない化学修飾をタンパク質に導入すれば、生体が元来有する以上の機能を付与できるかもしれない。本領域では、この「生体が元来持っていない、あるいはその存在が不明な化学修飾」をneo-PTMsと定義します。
タンパク質は細胞・生体機能の中心を担う分子です。ヒトゲノムにはわずか2万〜2万5千のタンパク質の一次配列しかコードされていませんが、その転写産物であるRNAが様々な化学修飾を受け、さらにその翻訳産物であるタンパク質が様々な翻訳後修飾(PTMs)を受けることで、100万以上のプロテオームを形成します。つまり、DNA/RNA/タンパク質などの生体分子の化学修飾とそれが造る化学ネットワークによって、生体は多様な機能を獲得します。生体での翻訳後修飾の阻害剤は、分子標的治療薬としても注目を集めました。
しかし、化学が構築できる分子の構造と機能は無限大であり、生体分子が受ける化学修飾が内在的に見られる修飾に限定されなければならない理由は存在しません。生体が元来持っていない化学修飾をタンパク質に導入すれば、生体が元来有する以上の機能を付与できるかもしれない。本領域では、この「生体が元来持っていない、あるいはその存在が不明な化学修飾」をneo-PTMsと定義します。
キーワード
人工翻訳後修飾 / 触媒 / 酵素
ID | 2023_W3 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 兆し |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | - |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学) |
分析データ クラスタ | 5 (分子生物学/薬理学) |
研究段階
自然界とは異なる化学修飾がようやく実現できるようになった段階。その機能はいまだ未知数。
インパクト
日本のお家芸といわれる従来の低分子を基質とする化学反応から、生体高分子を対象にすることで可能性は無限に広がります。治療薬等の開発等、インパクトのある成果が1つ見つかれば、起爆剤になると考えられます。
必要な要素
化学と生物両方を真に解る、操れるリーダーの育成。