NISTEP注目科学技術 - 2023_E636
概要
仮想空間で陸上養殖飼育をシミュレーションする技術
現在、陸上養殖が着目されているが、コストが高いことが課題であった。また、陸上養殖に新規参入しようとしている人としては、飼育や施設運営に関するノウハウがないことが想定される。例えば「どのような設備で飼育すればいいか」といったことは従来、実際に運営しながら習得していく他なかった。
養殖シミュレーションでは、仮想空間で給餌量や水温設定といった飼育条件に対して、成長量の予測ができ、最終的に収入と経費が予測できる。このことにより、「どの時点で投資を回収できるか?」「収益を最大にする飼育方法は?」といったことを、仮想空間において事前確認できる
現在、陸上養殖が着目されているが、コストが高いことが課題であった。また、陸上養殖に新規参入しようとしている人としては、飼育や施設運営に関するノウハウがないことが想定される。例えば「どのような設備で飼育すればいいか」といったことは従来、実際に運営しながら習得していく他なかった。
養殖シミュレーションでは、仮想空間で給餌量や水温設定といった飼育条件に対して、成長量の予測ができ、最終的に収入と経費が予測できる。このことにより、「どの時点で投資を回収できるか?」「収益を最大にする飼育方法は?」といったことを、仮想空間において事前確認できる
キーワード
バイオマス資源(木質バイオマス) / ビッグデータ・ビックデータ解析・データ駆動科学 / 地球環境・水循環・環境科学技術
ID | 2023_E636 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 40 (森林圏科学、水圏応用科学) |
分析データ クラスタ | 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス) |
研究段階
現在は、養殖試験場・企業等との共同により、シミュレーションの精度検証と、実用性検証を研究室レベルで実施している段階にある。
インパクト
養殖シミュレーションにより、利益を最大化する運営方法を明らかにできる。このことにより、高収益な陸上養殖施設の構築に貢献する。加えて、養殖シミュレーションでは、成長量、成長速度が予測できることから、出荷時期も予測ができる。このため、従来出荷サイズの調整が難しかった海面養殖に対して、出荷時期や出荷量の調整ができ、好きな時に好きな量を出荷できる「オンデマンド出荷」への対応につながると期待する。
中長期的には、陸上養殖施設の高収益化によって、新規参入者が増加し、国内の食料生産の増大に貢献できるものと考える。また、オーダーメイド的に陸上養殖施設をシミュレーションできることから、地域特性を生かした陸上養殖と食料生産ができる。
中長期的には、陸上養殖施設の高収益化によって、新規参入者が増加し、国内の食料生産の増大に貢献できるものと考える。また、オーダーメイド的に陸上養殖施設をシミュレーションできることから、地域特性を生かした陸上養殖と食料生産ができる。
必要な要素
現在は、飼育のみを予測しているが、水質・死亡率の推定・環境負荷物質排出量等、シミュレーションとして考慮すべき要素が多数残っている。また、精度検証とシミュレーション可能な魚種の拡大も必要と言える。