NISTEP注目科学技術 - 2023_E635

概要
ミューオンビームを用いた透過イメージング技術の確立が期待できる。
現在、宇宙線ミューオンによる透視によってピラミッド内の未知の空間が発見されるなど、ミューオン検出技術の成熟によって様々な対象のイメージングが展開されている。近年、加速器で人工的に生成したミューオンの加速に成功しており、今後のミューオン加速技術の発展によって宇宙線ミューオンと同程度のエネルギーの人口ミューオンの利用が可能になれば、その単色性から宇宙線ミューオンを凌駕する分解能でイメージングが可能となる。
キーワード
ミューオン / ミュオン / イメージング / 加速器
ID 2023_E635
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 15 (素粒子、原子核、宇宙物理学)
分析データ クラスタ 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体)
研究段階
既にミューオン加速は原理実証が完了している。今後5年程度で光速度程度までのミューオン加速の原理実証が完了する見込みである。光速度まで加速されれば、これまでたくさんの実績のある電子加速と同じ原理が加速が可能であり、宇宙線と同程度のエネルギーまで加速することは容易である。
インパクト
既に海外の主要な港湾では宇宙線ミューオンを用いたコンテナスキャン装置が実装されており、既存の大型X線装置を含めてビームミューオンを用いた装置に置き換わることがあれば数千億規模の市場が創出される。また、透過イメージングの前段階として細胞などを透視するための透過型ミューオン顕微鏡の計画も進行中であり、強い透過力を活かしたミューオン顕微鏡が電子顕微鏡に置き換わることがあれば様々な分野で大きなインパクトになる。
必要な要素
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