NISTEP注目科学技術 - 2023_E629
概要
ミューオンによる透視技術が今後、様々な分野で波及していくと考えられる。ミュオグラフィ―と呼ばれるこの透視技術はこれまで火山のマグマ監視やピラミッド内部の透視、最近では台風の鉛直大気構造などの観測にも用いられており、応用範囲に様々な可能性を秘めている。とくに今後、大型構造物の透視に用いられることが大いに想定され、X線やガンマ線、中性子線とは異なり放射線源が必要ないため、安全に計測できることが期待される。
キーワード
量子コンピュータ(量子アニーリング・誤り耐性量子ンピュータ)・耐量子暗号(量子暗号)・量子力学(量子もつれ・量子超越性)・量子関連 技術(量子雑音限界・量子ビーム・半導体量子ビット技術・量子材料・量子センサ・室温量子材料・量子光源)・量子化学 / 宇宙(宇宙探査・宇宙利用・宇宙環境(製造・計測)・宇宙資源・宇宙エレベーター・宇宙物理・宇宙エネルギー伝送・宇宙天気予報) / イメージング技術(リアルタイムイメージング・バイオイメージング(ライブセル・インビボ)・光イメージング・毛髪イメージング・微細領域イメージング)
ID | 2023_E629 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 15 (素粒子、原子核、宇宙物理学) |
分析データ クラスタ | 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体) |
研究段階
ミュオグラフィはすでに火山やピラミッドの透視などで実績があり、ある程度は確立された技術である。今後は普及フェーズに入っていくと見られるが、現在のミュオグラフィの研究者が想定していない需要が生まれる可能性がある。
インパクト
透視対象によって様々な波及効果が期待される。火山の透視では噴火予知・防災に、ピラミッドの透視では考古学への波及がある。大気・海洋観測ができれば気象予報や防災に役立ち、構造物の透視などに応用されれば建築、インフラなどの分野への波及効果があり、安心安全な社会の形成への貢献がありうる。
必要な要素
ミュオグラフィ―が限定的な分野で利用されるのみならず、より広範に利用されるように、様々な分野の研究者・技術者から需要を呼び起こすことが重要である。