NISTEP注目科学技術 - 2023_E606
概要
バイオマスを熱化学的に高速加水分解する「亜臨界水技術」を活用した資源循環社会の実現.
例えば,日本の中山間地における主たる基幹産業は農林業であるが,農業の生産性も林業と同様低位に置かれてきた.「日本農業改造計画」(自民党前農林部会長・小泉進次郎)によれば,この20年間に70兆円もの予算が使われたものの,農業生産額は11兆円台から8兆円台に落ち込み,基幹的農業従事者数も263万人から100万人近く減っている.また,循環資源収支(窒素べース)を見ると,①国内生産食飼料における窒素量は483千トン/年に対し,1,170千トン/年(輸入食料・畜産物・飼料由来)の窒素を輸入しており,②これらの食飼料を消費して最終的に農地を含む環境へ排出される窒素量は1,630千トンであり,過多な窒素蓄積構造にある.このような日本の食料・農林水産業の実態において,農林水産省は令和3(2021)年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定し,耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の拡大や,持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現などの目標を掲げた.以上の問題を俯瞰的に捉えれば,地域に賦存するバイオマス資源ベースの農林畜産業連携,具体的には,a) 国産飼料増産による輸入飼料削減や,b) 腐植質(フルボ酸液)活用による化学肥料削減等が課題となる.機能的な亜臨界水技術を活用することで道筋が拓けると思料する.[松下ら, 2022より抜粋]
例えば,日本の中山間地における主たる基幹産業は農林業であるが,農業の生産性も林業と同様低位に置かれてきた.「日本農業改造計画」(自民党前農林部会長・小泉進次郎)によれば,この20年間に70兆円もの予算が使われたものの,農業生産額は11兆円台から8兆円台に落ち込み,基幹的農業従事者数も263万人から100万人近く減っている.また,循環資源収支(窒素べース)を見ると,①国内生産食飼料における窒素量は483千トン/年に対し,1,170千トン/年(輸入食料・畜産物・飼料由来)の窒素を輸入しており,②これらの食飼料を消費して最終的に農地を含む環境へ排出される窒素量は1,630千トンであり,過多な窒素蓄積構造にある.このような日本の食料・農林水産業の実態において,農林水産省は令和3(2021)年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定し,耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の拡大や,持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現などの目標を掲げた.以上の問題を俯瞰的に捉えれば,地域に賦存するバイオマス資源ベースの農林畜産業連携,具体的には,a) 国産飼料増産による輸入飼料削減や,b) 腐植質(フルボ酸液)活用による化学肥料削減等が課題となる.機能的な亜臨界水技術を活用することで道筋が拓けると思料する.[松下ら, 2022より抜粋]
キーワード
亜臨界水技術 / 資源循環 / 農林畜産業
ID | 2023_E606 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 社会基盤 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 41 (社会経済農学、農業工学) |
分析データ クラスタ | 50 (農業・森林) |
研究段階
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インパクト
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必要な要素
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