NISTEP注目科学技術 - 2023_E566

概要
センサネットワークのための衛星を用いたNon Terrestrial Networks (非地上系ネットワーク)の実現が今後期待される.Starlinkのサービス実現によって広帯域な通信は商用利用が可能となっている.しかしながら,実際に衛星通信利用のメリットが見込まれる山間地域・会場地域などに設置されると考えられるセンサ端末等の通信に共用されるようなネットワークは未だ実現されていない.

VLOE等の低軌道衛星によるセンサ端末向けのネットワークが実現されることで,山間地域のセンシングが可能となると,土砂災害などの災害被害や鳥獣被害の低減,農業・林業・漁業のの自動化が実現されると考えられる.
キーワード
無線ネットワーク / 非地上系ネットワーク / 無線通信 / センシング
ID 2023_E566
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 情報通信
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 60 (情報科学、情報工学)
分析データ クラスタ 38 (計算機・電気通信・通信デバイス・量子計算機)
研究段階
現段階では理論上では高い性能がだされるものと考えられている.
衛星の動き速いことから,センサ端末などの性能が低い端末でも実現できる通信方式およびメディアアクセス制御方式について検討を進める必要がある.
インパクト
社会的なインパクトは大きい.現在,人類にとってのフロンティアは宇宙ではなく,山間地域,海上にある.これらの地域の情報を常に入手出来るようになると,安全な社会が実現される.さらに,漁業・林業の自動化が進めば,資源の保護および収量の拡大に繋がると考えられる.加えて,人手不足が指摘されている海運業界においても,衛星通信を前提とした自動航行などが実現されるようになる.
必要な要素
我が国が衛星通信でイニシアチブをとるためには,低軌道に大量の衛星を投入できるロケット技術(コストも低い)が必要である.