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NISTEP注目科学技術 - 2023_E565

　社会基盤や生活基盤の構築における環境影響最小化技術の革新が，持続可能な社会の実現に必須のものとして期待される．
　従来，社会インフラや住宅等の整備は，設計基準･指針等に基づきコストを目的関数として，特に初期投資を最小化するような形で行われてきた．近年，地球温暖化や天然資源枯渇などをはじめとして様々な環境問題への対応の必要性が社会全体に広がり，その重要度はますます高まっており，社会基盤や生活基盤においてもその整備に対する価値の捉え方について根本かつ包括的な変革が求められている．すなわち，コストの他にも環境問題に係わる様々な目的関数の設定が必要であり，その多元複合問題を取り扱うことによって環境影響最小化を実現する技術の開発が急がれる．
　この課題に対しては，計画･設計，材料，施工，環境評価，資源循環などの各分野･段階で要素技術の開発が進められてきたが，これらの技術を複合的に活用して条件個別に最適化するシステムの構築が肝要である．

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