NISTEP注目科学技術 - 2023_E552
概要
以前の地球物理的な観測は点の集合に過ぎなかった。近年は線的・面的さらには3次元的な観測が進み画像のようなデータが得られつつある。例えば、光ファイバーを利用したDAS技術ではファイバーに沿って高空間分解能をもった歪みデータを得ている。宇宙線粒子の透過性を利用したミュオグラフィ技術により、火山などにおける2次元の高解像度の密度分布が推定されている。一般的な地震観測においてもモバイル技術の発達により、1000点規模のデータ送信が行われており、データのリアルタイム性が向上、地震・火山活動のモニタリングに繋がっている。このような観測技術の発達に伴い、桁で増えているデータを自動解析する手法として機械学習などが着目されており、実際に局所的な地震カタログの作成などは複数の技術を組み合わせることで自動化が行われている。
キーワード
予測・観測 / イメージング技術 / 機械学習
ID | 2023_E552 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 宇宙・海洋・科学基盤 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 17 (地球惑星科学) |
分析データ クラスタ | 46 (データサイエンス/機械学習・AI) |
研究段階
既に多数の実施事例があり、突発的な地震活動・噴火活動にも応用が試されている段階。
インパクト
地震・火山活動などを理解し基礎研究が進むことは勿論、既に始まっている地震・火山活動の推移を明らかにし社会活動をどう継続・制限すべきかを判断する上での一次情報になると期待される。
必要な要素
光ファイバー観測では国土交通省の協力のもと、既存のファイバーの活用が進んでいる。民間も含めてこのような流れが加速することが必要である。光ファイバー技術も含めて個々の最新技術では既存の技術に比べてノイズレベルが高いものが多く、データ取得点が多いことでデータの質を賄っている側面がある。技術の向上及び機材の低価格化も必要である。既存技術の密でない観測と組み合わせて最大限に情報を引き出す解析などはまだまだこれからである。