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NISTEP注目科学技術 - 2023_E55

これまでは不可能だった人工衛星による全球の高頻度高分解能観測が恒常的に行えるようになり、地球惑星科学、特に気象学や測地学、また建築学や土木工学など、極端な現象が未解明であった分野に革新が起きる。

従来は現象の発生を事前に予想することが困難であったために乏しい観測体制をモデルを利用した研究や、過去の観測データの再解析などで補間することが主体であった。また、気象のようにモデルの精度が数百メートルを超えることが一般的な分野では、観測網の空間分解能が研究を制約していた。このように、原理を明らかにするための体制が構築される前の段階である。

気象や地盤の変動などにおける極端な事象を観測する機会が増え、モデルの精度や理論において革新を起こせるようになると、従来より警報の精度が向上するほか建造物の安全設計などが容易になると考えられる。

観測体制の充実やモデルの精度を向上させるための計算機科学の発達などが必要である。
また、建造物などは実際に建築されるまでに時間がかかるため社会の需要までに時間がかかると考えられる。