NISTEP注目科学技術 - 2023_E543

概要
Echonetの低圧Bルートの開放、Connectivity Standards AllianceによるMatterの標準化、そしてビルやいわゆるコンパクトシティーなどをカバーする産業用のWeb of Things(WoT)などの標準化により、部屋からビル、街区など多種多様に及ぶ階層的な物理的な環境制御を相互運用し、かつ測定、制御・運用可能にするネットワーキング環境は揃いつつある。また、他方でスマートホンなど小型機器への学習済み機械学習モデルを実行可能な専用チップの導入も急速に実現されつつある。
そして、社会全体でのエネルギー利用効率の最適化を行っていくことが不可避の社会情勢の中、それらの階層を繋いで全体として最適運用できる機構を実現していくことが強く求められている。
これまでの、たとえば、一戸建の並ぶニュータウンや所有権が細かく分割される民間用マンションなどにおいては、いまだ重層的な連携を実現するに至らず、個別の末端において継続的に費用を捻出するインセンティブは、主にデベロッパーや行政によるポイントシステムなどの経済的メリットといった後ろ向きの施策でしか実現されてきていない。しかしながら、ハードウェアの低廉化による末端への処理の委譲、また相互運用性確保や小型でも実行可能な学習済みデータセットの拡充により、各階層を自律的に動かすことによって、データ流通の面でのプライバシー配慮かつ、エネルギー利用効率の面からだけでもコストメリットが見いだせることが期待される。
学術側からは機械学習のモジュール化、また産業側からは相互運用を前提とした国際標準化の推進により、各階層においても持続的に運用可能な自律的な産業へ成長することは未だ可能なはずであり、この領域いくつものデベロッパーがコンパクトシティー・スマートシティを立ち上げていっている日本が全世界を牽引していく技術開発を行いうる下地は整っている。
キーワード
スマートシティー / 機械学習 / エネルギーシステム
ID 2023_E543
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 情報通信
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 23 (建築学)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
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