NISTEP注目科学技術 - 2023_E540

概要
 複数スケールの異種モニタリング・センシングを統合することにより人間・自然システムを再構成し、人間活動の環境影響を指標化する技術を開発ならびに高度化する。温室効果ガスの地表面や動植物からの排出、栄養塩類のフロー、生物多様性等の様々な現象、ならびにそれらの相互作用を解明し、食料システム等の総合的な(製品・サービスの上流・下流全体についての、また複数の評価指標を用いた)環境影響の評価技術を構築する。例えば、生物多様性については、衛星データ、音響、環境DNAの解析等を(半)自動化、ビッグデータ化し、未調査地を減少させるとともに、データの質を向上させる。これらを通し、土地利用変化等の人間活動が環境・社会に与える影響を詳細に評価する技術を確立する。
キーワード
ライフサイクルアセスメント / リモートセンシング / フィールドモニタリング / 環境フットプリント
ID 2023_E540
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 企業
専門分野 環境
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 64 (環境保全対策)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
 個々の事象に関しては、原理については科学的な解明が進んでいるが、フィールド等での検証が進められている段階である。総合的な指標化については、公的機関も関与するプロジェクトとしても進められているが、理論的基盤の再検討が必要な手順が使用されている場合があり、総じてアドホックである。
インパクト
 こうした指標化技術は、持続可能な社会を形成するための基盤技術であり、環境・生態系への貢献だけでなく、社会的課題の解決への貢献が期待できる。また、国際的な関心の高い技術であるため、国際社会への貢献にもなると考えられる。さらに、開発された科学技術を活用した新たなビジネスの創出にもつながると期待される。
必要な要素
 複数の研究領域が関わるため、研究のマネジメントが重要になる。また、調査内容によっては、膨大な作業量が必要となるため、人材確保が重要な課題になる。さらに、新たな研究成果を実現するためには、スタートアップ企業を正式のメンバーとすることができるような研究プロジェクトの実施が鍵になると考えられる。