NISTEP注目科学技術 - 2023_E536
概要
害虫防除において化学農薬の使用回数の削減は、国内外問わず重要な課題である。害虫防除を成功させるためには、害虫発生初期に防除することが重要であるが、精度が高い害虫のモニタリングは農業生産者には難しい。そこで、匂いセンサーなどを利用した害虫モニタリングの自動化が注目すべき技術である。害虫の発生を化学的、または、物理的な変化で検知し、機械的に害虫モニタリングできれば、農業生産者は害虫が発生している部分のみを早期に防除可能となる。現在は、撮影技術も向上し、植物の生育を画像で診断できるようになってきた。植物等の画像と害虫の発生状況を機械学習させることで、自動的に害虫の発生状況が評価することが可能と考える。このため、画像診断は害虫モニタリングにも利用できると考え、注目すべき科学技術と判断する。
キーワード
イメージング技術 / 機械学習 / 予測 / ロボット / ビックデータ解析
ID | 2023_E536 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 39 (生産環境農学) |
分析データ クラスタ | 50 (農業・森林) |
研究段階
室内レベルで研究が進んでいる段階
インパクト
広大な面積を誇る農場であっても、ドローンなどを使用して自動的に害虫発生をモニタリングできる。また、同時に害虫防除システムを自動化すれば、害虫のモニタリングと防除を効率的に実施可能となる。化学農薬を使用する場合は、使用回数などを考慮する必要があるため、内閣府のプロジェクトのレーザーを用いた害虫防除技術との組み合わせが適していると考える。
必要な要素
研究開発に高額な機器を使用するため、アイデアを持っている研究者への資金提供が必要である。また、産業化へは産官学の連携が必要となるが、初期の開発には基礎研究が必要なため、応用研究だけでなく、基礎研究にも研究費を出すための予算も必要と考える。