NISTEP注目科学技術 - 2023_E530
概要
災害をもたらすような豪雨の事前予測の実現が期待される。近年、フェーズドアレイ気象レーダーによって雨の時空間分解能の高い観測が可能となり、そのデータを用いた豪雨の予測手法も確立してきた。さらに雨が形成される前を知るための水蒸気観測も、マイクロ波放射計などを用いた地上からのリモートセンシングが可能となりつつある。これら最先端の計測手法と、データ同化や機械学習、圧縮センシングといった最先端の計算手法を用いることで、3-6時間前には豪雨の発生位置と雨量強度が予測可能になるのではないかと期待される。
キーワード
地球環境・水循環・環境科学技術 / ビッグデータ・ビックデータ解析・データ駆動科学 / 人工知能・機械学習・深層学習・強化学習
ID | 2023_E530 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 17 (地球惑星科学) |
分析データ クラスタ | 14 (気候) |
研究段階
レーダーやマイクロ波放射計など個々の観測機器の開発は進展しており、またデータ同化手法なども進展が見られる。一方でそれらを統合しての豪雨予測といった観点ではまだ研究段階であり、現業へと利用されるような実用段階にはまだ少し幅がある。
インパクト
大雨を正確に予測できるという観点から、土砂災害の予想を発生し、避難行動を促すなど、防災やインフラ保護に大きな効果をもたらすと考えられる。
必要な要素
要素技術が成熟しつつある段階であり、それらの要素技術をまとめ上げた統合的な研究を実施するフェーズに入っていると考えられる。そのために例えば東京エリア、大阪エリアなどの限定した地域に研究資源を投入して集中観測を実施し、その効果が大きいと判断すれば全国的に展開していく、というロードマップが必要である。