NISTEP注目科学技術 - 2023_E510
概要
Deep Learningを用いた生物の定量調査領域が期待される。 農学分野では特にアメリカで本技術は発展しているが、日本においてはまだまだ黎明期、もしくは導入に関して模索している段階である。農作物のバイオマスや成長量、さらにはそれらと気象との関係など既往データの蓄積から未来を予測するDeep Learning技術は必須と言える。例えば根菜類を例にとると、ドローンで撮影した葉面積指数から地下部の根菜のサイズを推定し、その予測によって収穫期を推定することで作業の効率化を図ることが可能である。また、土地ムラなどを推定することにより施肥や散水の作業効率化も可能となる。
次に、生態学分野では絶滅危惧種の定量化に本技術は有効である。絶滅危惧種はその個体数がそもそも少ないため人間の目で確認するためには多量の努力が必要であり、かつ現地調査の経験が必須となる。一方でドメインを持つ人間が情報をインプットすることで分布可能な地域やハビタットが推定できるようになる。ドローンを持ちいた撮影などで補完することでより精度の高い分布推定が可能となるであろう。
次に、生態学分野では絶滅危惧種の定量化に本技術は有効である。絶滅危惧種はその個体数がそもそも少ないため人間の目で確認するためには多量の努力が必要であり、かつ現地調査の経験が必須となる。一方でドメインを持つ人間が情報をインプットすることで分布可能な地域やハビタットが推定できるようになる。ドローンを持ちいた撮影などで補完することでより精度の高い分布推定が可能となるであろう。
キーワード
深層学習 / 農業科学 / 生態学
ID | 2023_E510 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 41 (社会経済農学、農業工学) |
分析データ クラスタ | 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス) |
研究段階
現在のところ、現地調査によりインプットする情報の定量化は終了している。次にモデルを構築するためのデータ整理やモデルの構築段階にある。現場でのローンチにはまだ時間を要すると考えているが、3年ほどで完成する見込みである。
インパクト
影響や効果はかなり高いものである。人間が遂行可能な努力は有限であるが、その努力を何十倍にも何百倍にもすることが可能な技術である。
必要な要素
必要なものは社会的要因である。本技術で重要なことは、モデルを構築することや数式を最適化する研究者のみではない。この部分が社会的に浸透していない重要事項である。研究費や人材は全てモデル構築に充てられ、重要な現地の「ドメイン」を収集する部分に全くエフォートが割かれていない。つまり、いくら素晴らしい数式が構築されようと、実際に作業する農家や生態学者への貢献にならない事案が発生している。