NISTEP注目科学技術 - 2023_E502
概要
私の専門は材料研究になります.現在,自律自動実験のムーブメントが起こっており,合成,評価が自動で行えるロボット実験装置が多数開発されています.そして人工知能技術との融合により,完全に自動で新材料が開発できる基盤ができつつあります.その一方で,ロボット実験が実施できる実験は,これまで人が行ってきた実験とは異なる性質を持っており,人に置き換わる技術になるかはまだまだ研究段階にあると思っています.この全自動新材料開発システムができあがれば,材料の物性を指示するだけで,新しい材料が開発され,非常に高いインパクトを示すと期待されています.
キーワード
ロボット実験 / 人工知能 / マテリアルズ・インフォマティクス
ID | 2023_E502 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 61 (人間情報学) |
分析データ クラスタ | 46 (データサイエンス/機械学習・AI) |
研究段階
ロボット実験装置は各研究室での使用がスタートしている段階であり,これかが完成するのは5年未満,企業に展開されるのはさらにその先になるのではないでしょうか.
インパクト
材料に関わる技術への強い貢献が期待できます.
必要な要素
ロボット技術の進展が必須と考えます.現状,ロボット実験装置は,各論的に開発されており,「ある特定の目的の実験は自動化できる」といった状況が多いです.これをより一般的な形にするためには,合成装置,測定装置の技術革新・それを扱うロボット技術の進展が必要であると考えます.