NISTEP注目科学技術 - 2023_E48
概要
新しい有機EL材料の実現。九州大学の安達グループ、京都大学の梶グループが中心になり、熱活性化型遅延蛍光(TADF)示す有機材料の開発がすすめられている。従来の発光材料は原理的に発光効率を高くすることができなかった。しかしTADF材料は発光効率が100%近くに達することが実験で証明された。この材料は次世代の有機EL材料として期待されている。TADF材料の候補分子は様々なものが検証されてきており、耐久性にも優れた材料も見いだされている。現在もTADF候補分子の探索が活発になされており、マテリアルズインフォマティクスの手法を取り入れて研究開発が加速している。
キーワード
光デバイス / 分子デザイン / マテリアルズインフォマティクス
ID | 2023_E48 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 35 (高分子、有機材料) |
分析データ クラスタ | 27 (理化学/半導体・ナノ・材料) |
研究段階
実用化に近く企業との共同研究が進んでいる段階。
インパクト
ディスプレー分野は日本が国際的な競争力を低下させている分野である。あたらしい材料で既存産業の発展への寄与が期待できる。また産業競争力の向上につながる。技術・素材・製品・製法等の改良による産業の拡大が期待できる。
必要な要素
耐久性の向上が課題