NISTEP注目科学技術 - 2023_E477
概要
木材の約30%を構成するリグニンをポリエチレングリコール(PEG)を用いて抽出した工業用新素材の「改質リグニン」(グリコールリグニン)はプラスチック並みの加工性と生分解性、高耐熱、高機械特性、絶縁性など様々な特性を持つ。樹種や生育場所、部位などで異なるリグニンの化学構造により均質な工業製品の生産が難しいとされてきたが、比較的均質なリグニンを有する国産スギ材を用いて生産することで工業用途の生産の道が開き、実証プラントによる試験生産を行っている。今後、様々な用途での使用や量産化、低コスト化により環境負荷の少ない高品質な製品の生産が期待される。
キーワード
改質リグニン / 国産スギ材 / 木質バイオマス
ID | 2023_E477 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 低 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 40 (森林圏科学、水圏応用科学) |
分析データ クラスタ | 31 (環境化学) |
研究段階
企業との共同研究により実証プラントでの試験生産を行っており、1〜2年内に量産化・低コスト化の道筋が見えてくると期待される。
インパクト
新たな工業製品・技術の創出、中山間地の新たな産業・雇用の創出、国内林業の活性化、石油製品の代替による排出削減など。
必要な要素
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