NISTEP注目科学技術 - 2023_E450

概要
今後の宇宙開発において、もっとも重要となる宇宙放射線(放射線帯、銀河宇宙線、太陽放射線)の変動機構、予測機構の解明。欧米においても集中的に研究が進められているが、日本においても促進することが望ましい。
キーワード
宇宙天気 / 放射線帯 / 予測
ID 2023_E450
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 16 (天文学)
分析データ クラスタ 9 (素粒子・原子核・宇宙物理学)
研究段階
-
インパクト
今後の宇宙開発における基盤技術として不可欠のものであり、波及効果はきわめて大きい。たとえば、月面における放射線環境の理解と予測は、月面活動、構造物建設、それに付随するライフサイエンス、保険商品の開発 etcと多岐にわたり、広範な分野に影響を及ぼす。
必要な要素
第一原理(物理法則)にもとづく基礎研究の推進と、機械学習のような手法の導入によって高精度の予測が必要。また、人工衛星や月面基地での定常的な観測も重要。さらに、100年に1回、1000年に1回の太陽爆発に起因する宇宙嵐時の変化についても予測するなど、ダイナミックレンジの大きな研究を進める必要がある。年輪などの炭素同位体の研究から、過去の太陽放射線の増大などの痕跡が見つかっており、そのような学問分野との連携によって、過去を宇宙放射線環境を再現することによって、未来を予測するような取り組みも重要。