NISTEP注目科学技術 - 2023_E445

概要
海洋マイクロプラスチックの自動計測技術とそれらを応用したプラットフォームの世界展開
キーワード
海洋マイクロプラスチック / 赤外分光計 / 人工知能
ID 2023_E445
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 63 (環境解析評価)
分析データ クラスタ 14 (気候)
研究段階
赤外分光計による吸光スペクトルの計測と形状(人工知能)に基づくマイクロプラスチックの自動判別技術については,外洋域(狭雑物の少ない海)では,おおよそ確立されている段階と認識している.課題は,沿岸海洋などの狭雑物の多い海域への応用と,独立した自動システムとして長期に運用できるかどうか,と考える.
インパクト
海洋マイクロプラスチック(MP)の研究が盛んになったのは2010年代である.プラスチックの大量生産が始まった1950年代からの継続的なデータは,別府湾の海底セジメントなどの解析をのぞいて,ほとんどない.今後,海洋へのプラスチック排出シナリオに応じた将来(生態影響)予測を行う場合には,MPの長期連続データによるモデル検証が必須である.実際,温暖化の予測はそのような考え(演繹的推測)のもと,シナリオに応じた予測を行っている.今後は,自動計測の多点展開に基づくモデルの検証と将来予測が必ず必要になると考える.
必要な要素
沿岸域への展開と自動ステーションの最適配置,あるいはその構造に関する検討が必要となるだろう.