NISTEP注目科学技術 - 2023_E44

概要
気体透過制御技術
気体を分離する分離膜とその反対であるバリア膜技術。
分離膜では、CO2分離膜や水素、アンモニアの分離膜が注目技術である。
特に地球温暖化からCO2の回収技術として、分離膜技術は重要である。
バリア技術は、多くのデバイスは水蒸気や酸素の影響を受けるためバリア構造が必要である。
食品包装などのバリア技術が進めば、食品ロスなどの問題も解決できる可能性がある。

これらは、正反対の性能であるが気体の分子サイズであるナノ空間制御の研究分野であると考える。
キーワード
分離膜 / CO2回収 / 地球温暖化 / バリア技術 / ナノ空間制御
ID 2023_E44
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ものづくり
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 27 (化学工学)
分析データ クラスタ 11 (理化学/エネルギー・脱炭素)
研究段階
CO2分離膜は、研究が進んでいるが透過性が高く、選択率の高い分離膜はまだ研究段階である。これに加え物理的性能(強度等)や耐久性、コストも関係するため、産業化には一定の時間を要すると考える。
インパクト
CO2分離膜に関しては、地球温暖化の抑制
水素、アンモニア分離膜に関してはエネルギーキャリア
バリア技術に関しては、エレクトロニクスや食品ロス等
の課題を解決すると期待される
必要な要素
ガス分離膜に関しては、気体を溶解する必要性が有るため、気体分子サイズ(0.4nm)のナノ空間の設計が重要と考える。現在、MOFや粒子等を利用したMMM(Mixed Matrix Menbrane)技術が研究されている。
バリア膜に関しては、真空成膜では達成できているものの、緻密な膜を容易に得るための技術は不足している。逆に0.4nmの空隙をなくす設計となるが、高分子などでは自由体積があり達成が困難である。