NISTEP注目科学技術 - 2023_E430
概要
「放射線誘起蛍光体を用いた放射線量分布の可視化技術」
放射線誘起蛍光体のラジオフォトルミネッセンス(RPL)現象は、現在、個人被ばく線量系として利用されている。この放射線誘起蛍光体のRPL現象を用いることで、医療診断・治療における放射線量の二次元或いは三次元分布を可視化できる可能性がある。
具体的には、放射線誘起蛍光体シート上をRPL励起光をスキャンし、その際発生するRPL強度をモニタリングすることで、その場での二次元の放射線量分布が測定できる。癌などの医療診断・治療、特に治療における重粒子線やガンマ線の分布をその場で計測する技術はいまだ確立されておらず、この技術が開発できれば、治療を受ける管図の放射線被ばくの軽減に貢献できる。
放射線誘起蛍光体のラジオフォトルミネッセンス(RPL)現象は、現在、個人被ばく線量系として利用されている。この放射線誘起蛍光体のRPL現象を用いることで、医療診断・治療における放射線量の二次元或いは三次元分布を可視化できる可能性がある。
具体的には、放射線誘起蛍光体シート上をRPL励起光をスキャンし、その際発生するRPL強度をモニタリングすることで、その場での二次元の放射線量分布が測定できる。癌などの医療診断・治療、特に治療における重粒子線やガンマ線の分布をその場で計測する技術はいまだ確立されておらず、この技術が開発できれば、治療を受ける管図の放射線被ばくの軽減に貢献できる。
キーワード
放射線誘起蛍光体 / 癌の医療診断・治療 / ラジオフォトルミネッセンス / 放射線量分布の可視化
| ID | 2023_E430 |
|---|---|
| 調査回 | 2023 |
| 注目/兆し | 注目 |
| 所属機関 | 大学 |
| 専門分野 | その他 |
| 専門度 | 高 |
| 実現時期 | 5年以降10年未満 |
| 分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 52 (内科学一般) |
| 分析データ クラスタ | 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体) |
研究段階
すでにRPL現象を用いた放射線量分布の可視化技術の開発は、研究室段階で行われており、特にRPL現象については、その原理などが明らかにされ、現在は、応用に適する新規蛍光体の探索が行われている。また、一部、企業との連携による実用化の検討も行われているため、5元以内には実用化が見込める。
インパクト
上述したように本技術が開発できれば、癌などの診断および治療における「放射線量」に可視化が可能となる。そのため、現在行われている放射線による「診断」と「治療」において、有効な測定手段となるばかりでなく、この技術が開発されれば、診断・治療を受ける患者の放射線被ばく量を軽減できるメリットがある。また、本技術が開発できれば放射線を扱う他の分野への波及効果は台であると思われる。
必要な要素
実現のためには医療分野と工学分野の研究者の融合による研究推進が重要な要素の一つとなる。さらに、「重粒子線照射によるがん治療」においては、重粒子線施設での実験が不可欠であり、重粒子線照射による実験が手軽にできる体制の確保も重要となる。できれば、医学および工学の異分野の研究者が集い、かついろいろな放射線設備が自由に使えるセンター等の設置が好ましい。