NISTEP注目科学技術 - 2023_E426

概要
 火山噴火予測を行う上で、個々の火山の地下のマグマ供給系(マグマ溜まりの構造や深度)の知識は不可欠である。供給系を探る方法の一つは、その火山の噴出物(火山岩)中の斑晶の観察・分析である。個々の斑晶の組織・組成累帯構造(中心から外縁に向けての組成変化)を観察する手法や、数ミクロン程度の領域を局所分析をする技術は、40年ほど前から存在する。一方で、斑晶を組織や組成累帯構造でもってタイプ分けしたり、分析点を選定するプロセスは、個々の研究者の経験に大きく依存しており、分析点のセットも人力で1点1点行っている現状がある。そのため分析に多大な時間が必要になるなどの問題がある。近年発達しつつある人工知能(AI)により、AIに斑晶の組織や組成累帯構造のパターンを学習させる。これにより、斑晶のタイプ分けや、斑晶タイプ毎の分析点の判断を、分析装置そのものに行わせ自動分析を行えるようにすることが望まれる。
キーワード
自動分析 / 人工知能(AI) / 火山噴出物 / マグマ供給系 / 斑晶
ID 2023_E426
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 環境
専門度
実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 17 (地球惑星科学)
分析データ クラスタ 62 (地震・プレート・地層・マントル)
研究段階
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インパクト
火山岩試料の分析のスピードアップにより、個々の火山の理解の進展がはかられる。噴火中の火山については、噴火推移の判断が迅速に行われるようになる。
必要な要素
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