NISTEP注目科学技術 - 2023_E412

概要
計算機を用いた理論創薬分野におけるSBDDでは、AlphaFold2の登場により受容体構造を概ね精度よく構築できるようになった。一方でその構造は「鍵と鍵穴」の関係の観点から注目した場合、低分子の結合に適してはいない。つまり、低分子の結合に適した受容体構造予測が期待されています。
キーワード
CADD / Protein-ligand docking / 分子モデリング / 分子動力学計算 / タンパク質立体構造予測
ID 2023_E412
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学)
分析データ クラスタ 5 (分子生物学/薬理学)
研究段階
現在はリガンド分子が結合していない受容体構造、いわゆるアポ構造、が与えらえれ場合、分子動力学計算により構造を動かすことで、結合ポケットの体積を大きくする手法がとられている。しかし、この手法では正解を当てることはなかなか難しい。
一方でAIベースの手法が期待されているが、タンパク質立体構造の実験構造でリガンド分子が結合している状態、いわゆるホロ構造、はアポ構造に比べてかなり少ない。
今後、どちらかのアプローチからこの分野での進歩がある可能性が高い。
インパクト
AlphaFold2と当該技術により、SBDDの精度がかなり高まり、多くの疾患に対する創薬研究が加速すると考えられる。
必要な要素
- タンパク質ーリガンド相互作用の実験構造のPDBでの登録数が大幅に増える。
- 少ないデータでも予測可能なAIのアーキテクチャの開発