NISTEP注目科学技術 - 2023_E407
概要
ナノスケール3Dプリンタ+バイオプリンティング
ナノスケール3Dプリンタは、現在約200nmの精度で造形できる技術です。2光子重合という手法などが用いられます。従来の3Dプリンタとは桁違いに高精度に造形できるため、科学技術だけでなく産業応用も期待できます。微細な構造は、MEMSに代表されるように半導体微細加工技術を用いてなされてきました(といいますか、これしか微細加工する技術がないといっても過言ではないかもしれません)。半導体微細加工技術は写真感光技術の応用のため基本的に2次元での作製になり、現在までその制約の中で微細加工が行われてきました。ナノスケール3Dプリンタは3次元で高精度にナノ・マイクロ構造を作製できます(電子線描画はナノスケール3Dプリンタよりもよりナノスケールで描画できますが、半導体微細加工技術と同様に2次元での作製です)。そのためナノスケール3DプリンタによりMEMSの更なる高度化などが期待できます。化学・ライフサイエンス分野の分析技術として発展してきているマクロ・ナノ流体デバイスでも更に革新的なデバイスが生まれるものと思います。また、すでに海外では、光ファイバ先端やイメージセンサに直接マイクロレンズや回折構造をプリントして生産する企業も現れています。また、射出成形やロール成形のマスタリング技術として高次構造をナノ3Dプリンティングして利用する海外企業も現れており、海外では産業利用の動きも出ています。また、細胞を3Dプリンタで印刷して、細胞を含んだ形で組織を造形して再生医療に役立てるバイオプリンティングも期待されています。これも通常の3Dプリンタを用いて現在は行われていますが、これをナノスケール3Dプリンタで実施することで、細胞バイオプリンプリンティングの高精度化による精密で現実に近い組織構造を模倣できたりるようになります。現在、このような研究を進めています。ナノスケール3Dプリンタが、現在よりも更に高精度になれば、より科学技術、医療、産業への貢献が大きくなるため、そのような装置開発が待たれます。
ナノスケール3Dプリンタは、現在約200nmの精度で造形できる技術です。2光子重合という手法などが用いられます。従来の3Dプリンタとは桁違いに高精度に造形できるため、科学技術だけでなく産業応用も期待できます。微細な構造は、MEMSに代表されるように半導体微細加工技術を用いてなされてきました(といいますか、これしか微細加工する技術がないといっても過言ではないかもしれません)。半導体微細加工技術は写真感光技術の応用のため基本的に2次元での作製になり、現在までその制約の中で微細加工が行われてきました。ナノスケール3Dプリンタは3次元で高精度にナノ・マイクロ構造を作製できます(電子線描画はナノスケール3Dプリンタよりもよりナノスケールで描画できますが、半導体微細加工技術と同様に2次元での作製です)。そのためナノスケール3DプリンタによりMEMSの更なる高度化などが期待できます。化学・ライフサイエンス分野の分析技術として発展してきているマクロ・ナノ流体デバイスでも更に革新的なデバイスが生まれるものと思います。また、すでに海外では、光ファイバ先端やイメージセンサに直接マイクロレンズや回折構造をプリントして生産する企業も現れています。また、射出成形やロール成形のマスタリング技術として高次構造をナノ3Dプリンティングして利用する海外企業も現れており、海外では産業利用の動きも出ています。また、細胞を3Dプリンタで印刷して、細胞を含んだ形で組織を造形して再生医療に役立てるバイオプリンティングも期待されています。これも通常の3Dプリンタを用いて現在は行われていますが、これをナノスケール3Dプリンタで実施することで、細胞バイオプリンプリンティングの高精度化による精密で現実に近い組織構造を模倣できたりるようになります。現在、このような研究を進めています。ナノスケール3Dプリンタが、現在よりも更に高精度になれば、より科学技術、医療、産業への貢献が大きくなるため、そのような装置開発が待たれます。
キーワード
ナノスケール3Dプリンタ / バイオプリンティング / 再生医療 / 高度化MEMS
ID | 2023_E407 |
---|---|
調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 18 (材料力学、生産工学、設計工学) |
分析データ クラスタ | 40 (材料工学) |
研究段階
研究室で開発している段階
大学の工学系学部と共同研究を進めており、今後医学部連携や企業連携を目指している。
大学の工学系学部と共同研究を進めており、今後医学部連携や企業連携を目指している。
インパクト
半導体微細加工技術ではできない高次構造をナノ・マイクロスケールで造形でき、さらに細胞バイオプリンティングをこの精度で行う事で、組織(臓器)の模倣・作製による再生医療への貢献、半導体微細加工技術ではできなかった加工の実現によるMEMSや分析デバイス、産業応用の実現などが期待できる。また、従来の方法ではできなかった革新的な素材(材料と高次構造の組合せ等により)開発も期待できる。素材開発でいえば、すでに(論文レベルではあるが)海外のグループが蛾の羽根の表面の微細構造を模倣してナノスケール3Dプリンタで印刷し、いままでになかった超撥水表面を作製した例などがではじめている。
必要な要素
・現在よりも高速でより高解像度(現在は200nmだが更に小さくする)のナノスケール3Dプリンタの開発
・ナノスケール3Dプリンタ用で造形可能な印刷材料の充実・開発、とくに金属材料
・当該技術の産業界への認知
・ナノスケール3Dプリンタ用で造形可能な印刷材料の充実・開発、とくに金属材料
・当該技術の産業界への認知