NISTEP注目科学技術 - 2023_E394
概要
・微細藻類由来のバイオマス燃料(微細藻燃料)
化石燃料の代替として期待され、藻類の光合成によって生み出されるため、大気中のCO2を固定化して製造される。そのため、地下資源を消費することなく、カーボンニュートラル扱いとされ、再生可能なエネルギー資源として期待される。自動車用途からジェット燃料まで幅広い領域で実用化に向けて、多くの国内プロジェクトが推進されている。
化石燃料の代替として期待され、藻類の光合成によって生み出されるため、大気中のCO2を固定化して製造される。そのため、地下資源を消費することなく、カーボンニュートラル扱いとされ、再生可能なエネルギー資源として期待される。自動車用途からジェット燃料まで幅広い領域で実用化に向けて、多くの国内プロジェクトが推進されている。
キーワード
カーボンニュートラル / 二酸化炭素技術 / バイオマス資源 / 再生可能エネルギー / 合成生物学
ID | 2023_E394 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 企業 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 64 (環境保全対策) |
分析データ クラスタ | 31 (環境化学) |
研究段階
古くから各国でプロジェクトが進行しており、現在も複数が進行しているため、生成できることは十分に実績がある。また、ベンチャー企業や大手企業でも開発が進行しており、常に実現間近と言われ続けているが、コストが採算ベースに乗らないことが大きな課題である。大型コンソーシアムを組んで大規模投資によりマスメリットを狙うグループもある。また、遺伝子変異を起こさせて培養速度を上げることに取り組む組織もある。いずれにせよ、ブレイクスルーが必要である。
インパクト
化石燃料の価値が大きく低下するため、石油関連企業の業態構造が変わる可能性もある。石油のように産油国が地理的に限定されることがなくなり、微細藻類を培養できればどこでも産油国となりえるため、地政学にも影響をもたらす可能性がある。また、実現時期によっては各国のEV競争や規制への影響も考えら、モビリティなどの産業界に対するインパクトも想定される。燃料として市場供給をする限りはカーボンニュートラル技術であるが、見方によってはカーボンネガティブ(吸収)となるため、カーボンクレジットや炭素税としての取引されることも期待できる。
必要な要素
■要素技術の進展
・燃料生成効率の高い藻類株種
・安価で効率よく培養が可能なバイオリアクター
・細胞を非破壊で燃料を抽出する精製技術など
■社会的要素
・バイオ燃料への認識
・遺伝子編集生物の規制緩和
・化石燃料への追加税やバイオ燃料への減税
・燃料生成効率の高い藻類株種
・安価で効率よく培養が可能なバイオリアクター
・細胞を非破壊で燃料を抽出する精製技術など
■社会的要素
・バイオ燃料への認識
・遺伝子編集生物の規制緩和
・化石燃料への追加税やバイオ燃料への減税