NISTEP注目科学技術 - 2023_E362
概要
第一原理計算、マテリアルズ・インフォマティクスを活用した未知の機能性材料探索および機械学習原子間ポテンシャルによる大規模原子シミュレーションの実行と物性・構造解析
キーワード
第一原理計算 / マテリアルズ・インフォマティクス / 機械学習
ID | 2023_E362 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 26 (材料工学) |
分析データ クラスタ | 48 (スピントロニクス) |
研究段階
学会発表、学術論文等により関連する研究成果が多数報告されており、実用段階に来ている。今後の人工知能・機械学習技術の更なる発展によって、新しい機能性材料の開発や詳細な物性・構造解析の研究成果が報告されることが期待される。また、第一原理計算が扱える規模を超えて、数千〜数十万個オーダーの原子を含むメゾスケールの原子シミュレーションを実行できる段階になっている。
インパクト
日本国内および海外の大学・研究機関を中心に様々な材料データベースが構築され、多くの研究者が材料データを活用できる環境になっている。さらに、材料データを基に物性予測を行う機械学習モデルの付加機能も用意されている材料データベースのwebページもあり、材料探索が加速化してきている。大規模原子シミュレーションを活用することで、実験や第一原理計算では明らかにできない物理現象や物性・構造の解析が可能となる。
必要な要素
計算および実験による材料データの蓄積が行われているが、材料データベースの種類によってデータの質が異なるため、質の高い材料データを見極めて活用することが重要である。また、材料開発の更なる発展に向けて、材料メーカー系の企業が持つ独自の材料データを共有化して材料データベースへ取り込むことが可能となるように、大学・研究機関、企業、行政等の連携や制度の整備が必要である。