NISTEP注目科学技術 - 2023_E357

概要
多能性幹細胞から生殖細胞を分化させて、それらを受精させることで新たな個体を創り出す技術。それを利用した不妊治療や絶滅危惧動物の復活技術。
キーワード
多能性幹細胞 / 生殖細胞 / 不妊治療 / 絶滅危惧動物の復活
ID 2023_E357
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 42 (獣医学、畜産学)
分析データ クラスタ 41 (発生・分化・幹細胞)
研究段階
すでにマウスやサルなどの実験動物では低効率ながら多能性幹細胞から生殖細胞を誘導し、そこから児を得ることに成功している。また、シロサイなどの絶滅危惧種の多能性幹細胞作成や、そこから生殖細胞様細胞を誘導することにも成功している。さらに最近は、雄の多能性幹細胞から雌の生殖細胞を誘導することにも成功している。
インパクト
もしヒトで成功すれば、生殖細胞を持たない不妊患者にも子を持つ可能性があることを示唆している。また、雄の細胞から卵子を作ることができるため、男性同士のカップルから子が作れることも理論上可能である。また、すでに生殖細胞を作ることのできない絶滅危惧種や、どちらかの性しか残っていない絶滅危惧種の復活が可能になる。
必要な要素
最も大きなハードルは倫理面であろう。しっかり議論を重ね、実施の可否を検討すべきである。