NISTEP注目科学技術 - 2023_E330
概要
人工知能を活用した光・波動効果デバイスのトポロジー自動最適設計法の開発。トポロジー自動最適設計法に人工知能を活用することで人間がこれまでに考えてこなかったような素子構造の自動探索が可能であり、これまで想像もしなかったような物理現象を見だ出すことができる。これまで、透明マントに代表されるようなメタ材料、非エルミート系光学、フォトニック結晶等新しい物理を実現するような素子をトポロジー最適設計法を用いて素子性能を最大化するような試みが活発になされている。こうした試みは新しい物理現象が予見され、その性能を最大化するものである。一方、近年の数値シミュレーション技術と人工知能技術の発達を利用すると、非線型光学、磁気光学、電気光学等の様々な現象が重層的に絡み合った新しい物理現象を見いだせることが期待され、今後の量子技術の発展にも大きく寄与するものと期待される。
キーワード
トポロジー自動最適設計 / 非エルミート系光学 / 数値シミュレーション / 量子光学
ID | 2023_E330 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 情報通信 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 21 (電気電子工学) |
分析データ クラスタ | 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体) |
研究段階
トポロジー最適設計法自体は基礎的なデバイスに対する設計例が多数論文として報告され、実際に企業の製品開発にも活用されている。一方、新しい物理現象を見い出すためにはさらに技術の発展が必要であり、計算機科学と基礎・応用物理を発展させ、人工知能と研究者が一体となって新しい技術を開発していく必要がある。
インパクト
これまで世の中に知られていない新しい物理現象が見出され、情報通信の飛躍的が発達し安全で高速な通信環境が実現される。またこの技術は生命科学、計算機科学、医療、防災等の様々な分野において光技術を利用した新しい可能性を見出すことになり、飛躍的な社会の発展につながるものと期待される。
必要な要素
技術開発を行う若い技術者の教育と政治的な集中投資が必要なのはもとより、これから生まれる子どもたちが正しい人間性を持てるように社会全体として幼児・子供・成人教育がなされる環境を構築することが重要である。そう思う背景には、現在の教育が子供に寄り添うということを名目に、子供を駄目にする教育がなされていると思うからである。