NISTEP注目科学技術 - 2023_E317
概要
新規半導体材料ならびにそれらを用いた革新的高周波・パワーデバイス開発
窒化ガリウムや酸化ガリウム等のワイドバンドギャップ半導体は、シリコン半導体にはない優れた特徴を持つ。しかし、結晶成長と基礎材料物性の解明、デバイスプロセスやデバイス設計の最適化、パッケージング、製品化に至る産官学の連携について必ずしも網羅的に有機的に研究開発が進められているとは言えない。炭化ケイ素デバイスが最も先行し、次に窒化ガリウムの研究が進められているが、これに続く新材料デバイスの研究も非常に重要であると考えられる。
窒化ガリウムや酸化ガリウム等のワイドバンドギャップ半導体は、シリコン半導体にはない優れた特徴を持つ。しかし、結晶成長と基礎材料物性の解明、デバイスプロセスやデバイス設計の最適化、パッケージング、製品化に至る産官学の連携について必ずしも網羅的に有機的に研究開発が進められているとは言えない。炭化ケイ素デバイスが最も先行し、次に窒化ガリウムの研究が進められているが、これに続く新材料デバイスの研究も非常に重要であると考えられる。
キーワード
カーボンニュートラル / 脱炭素 / パワー半導体 / 高変換効率
ID | 2023_E317 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 企業 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 21 (電気電子工学) |
分析データ クラスタ | 27 (理化学/半導体・ナノ・材料) |
研究段階
現在、電化製品、自動車等において、エネルギー変換素子としてシリコン半導体が用いられているが、変換効率が低く、ロスが発生している。これを次世代半導体に置き換えることで、高効率にエネルギーを利用できるようになる。現在は、一部の用途で炭化ケイ素や窒化ガリウムが実用化しているが、本格的な活用はまだである。
インパクト
環境・エネルギーの点で効果は非常に大きい。日常のあかりが白熱灯からLEDに置き換わったように、電力変換素子も今後高効率、高性能なものに置き換わっていくと考えられる。新材料パワーデバイスを用いると、高効率にエネルギーを利用できるだけでなく、再生可能エネルギーとも親和性が高いためにエネルギーの有効活用につながり、社会全体への影響も大きい。
必要な要素
半導体材料研究としての要素技術は特に日本で盛んであり、半導体素子の研究開発も企業で盛んである。しかし、高効率なエネルギー変換に向けての異分野(ライフスタイル、再生可能エネルギー、社会基盤、スマート家電等)との融合や最終的な社会実装に向けた取り組みはまだ不十分である。材料開発で世界をリードできても最終段階、実用段階で負ける懸念があり、今後の課題と考えらえる。
具体的には、大学教育の在り方(単一分野について深い知識を得ることだけではなく幅広い課題設定のできる人材育成)や企業と大学との人材交流が重要と考えられる。
具体的には、大学教育の在り方(単一分野について深い知識を得ることだけではなく幅広い課題設定のできる人材育成)や企業と大学との人材交流が重要と考えられる。