NISTEP注目科学技術 - 2023_E292
概要
酸素発生反応 (OER)、CO2還元反応、一酸化窒素 (NO) 直接分解反応など、小分子が関与する高難度物質変換の高活性触媒開発。OERは光触媒による水分解や水電気分解による水素製造の対極反応、CO2還元反応はCO2からCOやギ酸を生成する反応、NO直接分解反応は、自動車排ガスの浄化反応に相当する。
キーワード
触媒 / カーボンニュートラル・二酸化炭素技術 / 水素製造
ID | 2023_E292 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 36 (無機材料化学、エネルギー関連化学) |
分析データ クラスタ | 11 (理化学/エネルギー・脱炭素) |
研究段階
それぞれの反応に関する触媒は開発済みではあるが、実用化に必要な性能にはほど遠いため、より高活性な触媒開発を目指した研究が進行中である。OERとCO2還元触媒は材料化学分野でもっとも盛んに研究が行われているトピックスであり、画期的な触媒が見出されつつある。NO直接分解触媒については実用化の目処が立っていない。
インパクト
いずれもエネルギー生産、省エネルギー、資源有効利用、環境保護の観点から画期的であるため、実用化した際の社会的・経済的インパクトは非常に大きい。
必要な要素
従来型の触媒設計とは一線を画する材料開発が望まれる。未踏材料探索空間における触媒開発。材料開発効率化のためのデータサイエンス(マテリアルズインフォマティクス)も有効だとは思うが、合成・キャラクタリゼーションの効率化を図るため、実験技術の進歩も必要だと考えられる。さらに、社会実装を促進するための産官学連携(そのための研究費サポート)が望まれる。