NISTEP注目科学技術 - 2023_E266
概要
現実空間とバーチャル空間をつなぐ技術としてのインターバースの創出が期待されている。仮想空間内で得られた体験により現実空間内での行動や情報処理が変わったり、仮想空間内でした体験に基づいて、現実空間における活動意欲・動機づけが促進されるといった人間研究側の側面と、スマホやPCで(仮想空間も含めて)SNSに入るしかなかったこれまでの状況をエッジデバイスの充実化で仮想現実世界との接点を増やし、現実と仮想をより密接につなぐ情報通信機器側の側面があり、これらを融合したインターバースデザインが可能になる技術の創出が見込まれる。
キーワード
インターバース / メタバース / 現実空間
ID | 2023_E266 |
---|---|
調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 61 (人間情報学) |
分析データ クラスタ | 18 (マシンインテリジェンス/ロボティクス・人間工学) |
研究段階
個々の研究についてはそれぞれ進んでおり、企業共同研究へ発展する可能性のあるものも見え始めているが、一方で融合したサービス創出の観点で技術を醸成していく検討は始まったばかりでほぼ知見がない。
インパクト
日本企業において保有している家電等のIoT化技術と親和性があるため、これまで経済的に低迷してきた日本の国力を回復させる可能性のある検討と感じている。
必要な要素
エッジデバイス側の研究は独立に(例えば企業内でも)行われており、高い技術がすでに保有されていると考えるが、人間側がそれらにどのように対応できるのかといった検討が進んでいない。また社会的に受け入れられるかどうかという点についても、特に高齢者(学校教育で指導する立場の年齢を想定)においてDX化を受け入れられない人たちや、そこからおそらく小学生などが適切にこの技術を日常的に使っていくことができるかという観点においても懸念がある。教育のDX化においてはまず教員側の業務効率化を完璧にし、教育機関が一つのモデルケースになるくらいの抜本的な改革が起こらなければ、社会での担い手の問題でとん挫する可能性もある。