NISTEP注目科学技術 - 2023_E256
概要
機械学習ポテンシャルを用いた大規模・高速分子動力学シミュレーション。第一原理計算の高精度な結果を学習させて作ったポテンシャルを用いて高精度な古典分子動力学シミュレーションを行う手法。イオン伝導体のイオン伝導度の予測に役立ちそうに思う。第一原理計算は半導体の設計に広く用いられており、一定の成功を収めていると思う。しかし元素の拡散は分子動力学シミュレーションが必要で計算科学的手法による物性予測が難しかった。今後この機械学習ポテンシャルを用いた大規模・高速分子動力学シミュレーションを簡単に使えるソフトが出回れば、実験家でも分子動力学シミュレーションを使った材料設計が可能になる時代が来ると思う。
キーワード
分子動力学シミュレーション / 機械学習ポテンシャル / イオン伝導
ID | 2023_E256 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 13 (物性物理学) |
分析データ クラスタ | 54 (理化学/分子化学) |
研究段階
企業によるソフトウェア開発が進んでいる段階。
インパクト
特に電池などエネルギー分野への貢献が大きいと思う。イオン伝導を扱う電解質の開発だけでなく、触媒反応をつかさどる電極材料の開発も進むと考えられる。ポストリチウムイオン電池の開発などが一番わかりやすいかもしれない。
必要な要素
材料開発を行っている実験家をソフトウェア開発に取り込むこと。日本は未だに材料開発を行っている実験家のレベルは世界的に高い。ソフトウェア開発を加速させる意味でも、世界で勝つ意味でも重要。