NISTEP注目科学技術 - 2023_E226
概要
異常繁殖で増えすぎたウニの除去による藻場の修復:藻場はCO2吸収源であり、生物の産卵場所やすみかとしても機能し、生物多様性、持続可能な漁業を営む上でも重要な役割を果たすことが知られている。しかし、異常繁殖して増えすぎたウニ等が海藻を食害する磯焼けが問題視され、その抑止が課題となっている。この度、生態系に関する基礎研究と人工衛星に関する科学技術を融合することにより、ウニの除去による藻場の変化を定量的データとして取得できる事例研究の成果が小松輝久博士(元東京大学大気海洋研究所)らのチームにより示された。これは、磯焼け等の現場で運営するための実用的なモニタリング手法の開発であり、コスト面の削減を図った現地潜水調査により、人工物の海中投下や人為的地形改変を伴わず、自然の復元力を十分に発揮できるよう天然藻場が回復する条件を整えることでCO2吸収を促進し、カーボンクレジットの発行を受けた世界初の試みである。このような好例を世界に示し、さらなる技術の推進につなげていく必要があると考えられる。
キーワード
炭素循環 / 環境科学技術 / エコシステムマネージメント
ID | 2023_E226 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | 環境 |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 40 (森林圏科学、水圏応用科学) |
分析データ クラスタ | 14 (気候) |
研究段階
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インパクト
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必要な要素
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