NISTEP注目科学技術 - 2020_E833

概要
地理的な犯罪予測と,予測に基づく警察活動の技術.

地理的犯罪予測は,過去の犯罪の発生時刻や発生場所の時空間的パターン性を解明し,将来の犯罪発生を予測する技術である.欧米で技術開発が進められてきたが,日本においても先駆的な研究が出つつあり,オープンデータ,AIの発展とともに,技術として確立していくことが期待される.

予測に基づく警察活動は,地理的犯罪予測の結果を活用して,あらかじめ犯罪の発生が想定される時間と場所に警察官を配置する技術である.こちらも欧米では実証実験が進められてきたが,日本でも,京都,神奈川,長野と先駆的な取り組みがなされている.現状ではまた試行段階にあるが,警察内部にも,根拠に基づく施策実施や,働き方改革に伴う業務負担の軽減を求める動機があり,10年以内には実現されていることが期待される.
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E833
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 社会基盤
専門度 -
2020年調査にはこの項目はありません。
実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 8 (社会学)
分析データ クラスタ 29 (社会心理学・行動経済学)
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
犯罪情報のオープン化.
2019年から全国警察が犯罪情報のオープンデータ化を始めたが,空間粒度や公開罪種に制約がある.これがよりオープンになれば,関連する研究,技術が飛躍的に発展することが期待できる.

警察と大学との協働.
警察と大学とは,歴史的に緊張関係にあったが,近年,京都,福岡,東京,大阪等で,データをシェアしながら共同で研究を実施し,その成果をもとに,論文発表と警察活動の高度化を図ろうとする取り組み事例が見られる.これが一般化すれば,これまで未踏であった,警察と大学との共同研究が実施され,技術発展の大きな足掛かりとなる.