NISTEP注目科学技術 - 2020_E785

概要
光イメージングによる生命現象の精密な観察である。MRI、CT、蛍光顕微鏡など、生体内を観察する測定技術はいくつか存在するものの、現行の測定感度ではまだまだ不十分な点も多い。特に、感染症や再生医療分野など、生きたままの生命現象を観察する技術の需要はさらに増している。生体内でウイルスがどれだけ増減しているか、あるいはiPS細胞などの再生された細胞や臓器がどれくらい成長しているのか、経時的に好感度に観察する必要がある。このような根幹となる技術があれば、例えば新薬の効果や副作用も正確に観察できる。基盤となる技術の精度が高くなっていくほど、その周辺の技術の精度も引き釣られるように高度化していく。つまり、基礎研究レベルで高い感度の測定技術を早急に創り上げることで、人への応用技術、すなわち臨床技術の精度も向上していく。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E785
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 90 (人間医工学)
分析データ クラスタ 6 (分子生物学/診断・治療)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
現行の原理の中で、最も感度が高いものは光イメージングである。原理上、1つの光子(フォトン)を追跡することになるため、これを測定できるような高い技術を用いいれば、1つのウイルスや細胞を観察することも可能である。つまり、高い効率と強さで光を発する化合物や化学反応を開発するのは必須であるが、同時にそれを測定する機器の開発も必須である。少なくとも、化学を中心とした化合物や化学反応の開発と、物理を中心として機器の開発が双璧を成すように発展させる必要がある。また、生物を中心とした病態モデル動物の開発も必要である。肝心の観察対象となる現象を確立できなければ、データを集めることもできない。化学、物理、生物の3分野が融合することで達成される技術である。10年未満に実現『する』というよりは、『しなければならない』と考えている。昨今の世界的な感染症拡大のような自然現象に対して、我々人類が対抗し、立ち向かうために、科学技術を使うべきである。ウイルスが変異していくように、人類の科学技術もどんどん変化させ、向上させていくべきである。