NISTEP注目科学技術 - 2020_E773

概要
微生物由来の低分子化合物は、20世紀創薬化学の中心化合物であり主要な創薬資源であった。しかし、近年のバイオテクノロジー技術の革新によりその主役の座は抗体医薬などのバイオ医薬にパラダイムシフトしている。ただし、バイオ医薬には弱点もあり、コストが非常に高い、タンパク質であるため経口投与ができない、など技術的な課題は今なお存在する。さらに、高分子であることから基本的に細胞内に入らないため、バイオ医薬の標的は細胞表面の受容体などに限定され、治療可能な疾患も限定的である。こうした現状を打ち破る新たな手法として、現在、「中分子ペプチド」が注目されている。
キーワード
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ID 2020_E773
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 47 (薬学)
分析データ クラスタ 5 (分子生物学/薬理学)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
中分子医薬の最大の課題は「低い細胞膜透過性」である。また、バイオ医薬品ほどでなないが、製造コストの問題も実用化への障壁となっている。これら二つの重要な課題を解決するためには、微生物培養で得られる低コストな天然中分子ペプチドを網羅的に細胞膜透過性を改善する革新的な方法を確立する必要がある。抗体医薬に出遅れた日本において、中分子ペプチドを基盤とした創薬モダリティを世界に先駆けて開拓すべきである。