NISTEP注目科学技術 - 2020_E760

概要
タンパク質の分解機構を利用した標的タンパク質分解誘導薬(Targeted Protein Degradation;TPD)。具体的には、標的タンパク質に結合する低分子リガンドとタンパク質の分解を誘導するE3リガーゼ等を認識する分子をリンカーで繋ぎ、細胞内で標的タンパク質を選択的に分解する技術である。利用するタンパク質分解誘導系がことなる、PROTAC、SNIPER、LysoTACなどが開発されている。これまで、細胞レベルの実験などではタンパク質のノックダウン法としてRNA干渉(RNAi)が利用されてきたが、RNAを標的部位の細胞内に導入するのが難しく、医療的な応用は限られていた。TPDは低分子化合物を用いるため比較的細胞内へのデリバリーが容易であり臨床応用に向けて急速に技術が発展している。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E760
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 公的機関
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 37 (生体分子化学)
分析データ クラスタ 5 (分子生物学/薬理学)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
RNAiでは、標的遺伝子のDNA配列情報からノックダウンに必要なRNAを容易に設計できたが、TPDでは、標的タンパク質に結合するリガンドを見つける必要がある。タンパク質に結合する分子を設計するのは未だに容易ではなく、また、このリガンド自体が標的タンパク質の阻害剤やアゴニスト、アンタゴニストでなど、その機能を制御する化合物であることも多いのが課題である。